1970年代、大邱北区七星洞に建つ古びた別館の一角に、長い歳月にわたって閉ざされたままの天文台があった。近隣の住民たちはその周辺を「赤い星の呪い」と呼び、近づくことを恐れた。かつては星を観測する場所として知られていたその天文台も、ある夜を境に空へ現れた赤い星によって、すべてが変わってしまった。
その夜、天文台の天文学者たちは奇妙な周波数を感知した。彼らが望遠鏡を向けた夜空には、深淵の底から浮かび上がってきたかのような赤い星がひとつ、静かに輝いていた。世界中のどこにも記録のない星だった。その星を観測した瞬間から、天文学者たちは奇怪な夢に苛まれるようになった。夢の中では大邱の街全体が巨大な赤い霧に包まれ、地の底からおぞましい囁きが絶えず聞こえてきた。
数日が過ぎると、天文台の周辺で不可解な出来事が相次いだ。夜明け前になると路地に赤い霧が立ちこめ、その中から幽鬼のような影が現れては人々に囁きかけた。その言葉はいかなる言語にも属さなかったが、耳にした者の心へ、言葉では説明のつかない恐怖をじわりと染み込ませた。
天文台の扉が再び開かれたとき、中には誰もいなかった。ただ、壁という壁には不気味な紋様が刻まれており、周囲には見知らぬ異界の星座が描き連ねられていた。警察が調査に入ったが、物的証拠はひとつも見つからなかった。住民たちはこの一連の出来事を「赤い星の影響」と呼び、それ以来、誰ひとりとしてその場所へ足を踏み入れようとしなかった。
今も大邱の夜空には、ときおりあの赤い星が姿を現すという。その星を目にした者は、あまりにも深い恐怖に囚われ、それ以上のことを言葉にすることができない。あの星は単なる天体ではなく、人間の想像力をはるかに超えた彼方の存在が、この世界を静かに見つめているという警告なのかもしれない。そしてその存在は、大邱の静かな夜のことを、決して忘れはしないだろう。